屋根は家を守るための大事な部分の一つですが、その屋根を長持ちさせるための隠れたヒーローが「タスペーサー」です。
では、このタスペーサーとは一体何なのでしょうか。
そして、どうしてそれが必要なのでしょうか。
今回は、この疑問を解明します。
1. タスペーサーとは
タスペーサーは、屋根材を取り付ける際に使用される小さな部品のことを指します。
これは、屋根材と下地との間に挟むことで、空気の流れを生むスペースを作るためのものです。
タスペーサーは、多くの場合、金属やプラスチック製でできています。
2. タスペーサーが必要な理由
では、なぜこのタスペーサーが必要なのでしょうか。
以下の点から、その重要性を詳しく見ていきましょう。
通気性の確保
屋根の下地と屋根材の間に空間を確保することで、空気の循環が良くなります。
これにより、湿気や熱がこもりにくくなり、結露やカビの発生リスクが低減します。
熱の蓄積を防ぐ
タスペーサーのおかげで、屋根の下地と直接触れていない屋根材は、夏の高温時にも熱が蓄積されにくくなります。
これにより、室内の温度上昇を防ぐ効果もあります。
屋根材の寿命を延ばす
直接的な熱や湿気の影響から屋根材を守ることで、変形や劣化を防ぐことができ、屋根材自体の寿命も延びることが期待できます。
効果的な雨音の低減
タスペーサーがあることで、雨音や外部の騒音が直接下地に伝わりにくくなるため、室内の静けさを保ちやすくなります。
タスペーサーを行うメリット
雨漏りを防ぐ
縁切りをする最も大事な理由は雨漏りを防ぐためです。
雨水は・強風時・大雨など想定外の雨が降ったときには構造上屋根材の下にも入り込むものです。
ですから入った雨水をどうやって排出するかが重要です。
縁切りが必要な薄型化粧スレートの屋根材は表面に溝があり、この溝は屋根材の下に雨水が侵入した際に排出します。
しかし屋根塗装をすることでこの溝を塗料でふさいでしまうことがあり、そうすると雨水の逃げ場がなくなるので屋根下地の腐食、雨漏りに繋がるのです。
内部結露を防ぐため
結露ができる仕組みをご存じでしょうか?
結露は物質の内側と外側の気温差が生じた際に発生します。
このことを屋根に当てはめて考えます。
建物内の暖かい空気は上昇する性質があり、天井を通して屋根裏まで上昇します。
一方屋根の外側は外気と接しているので日中は熱さに、それ以外の時間は寒さにさらされています。
屋根の内側が温まり、屋根外側が冷える…これにより結露が発生します。
縁切りで屋根に隙間を作らないと屋根裏で内部結露した水分がたまってしまい、中の断熱材や木材を腐らせてしまうのです。
縁切りとは?
昔は同様の役割をタスペーサーを用いた工法ではなく、『縁切り』というカッターや皮スキなどを使って職人さんが手作業で塗膜を切る工法でおこなっていました。
今でも従来の縁切りを行う業者さんなど残っているようですが、手作業で塗膜を切っていくので時間と手間がかかる上、塗膜や屋根材に余分なキズなどが入ってしまう恐れもあり、現在では主流とは言えない状況となっています。
そして、このデメリットを解決するために生み出されたのがタスペーサーです。
タスペーサーが発明されたことで、作業時間を大幅に短縮できたことで人件費が安くなり、屋根材を傷つけるリスクもなくなりました。
まとめ
家の屋根は、外部の様々な影響から家を守る役割を持っています。
そのため、屋根材自体の性能や耐久性も大切ですが、それをサポートする役割を果たす「タスペーサー」の存在も非常に重要です。
適切なタスペーサーの使用は、家の長寿命化や住み心地の向上に直結します。
新しい家を建てる際や、屋根の修繕を考える際には、このタスペーサーの存在を忘れずに考慮することをおすすめします。
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