公開日:2023年2月22日
皆さんは「すが漏り」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
これは、豪雪地帯で発生する雨漏りの一種で、
屋根の構造や温度差が主な原因といわれています。
このすが漏りを発生させないためには、大きな費用をかけて工事をすることになります。
そこで今回は、すが漏りの主な原因やすが盛りが起こりやすい屋根の種類、
そしてすが漏りの修理に対して火災保険が適用される条件などを解説していきます。
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目次(▼タップで項目へジャンプします)
▼「すが漏り」の修理を火災保険で賄うには条件と解決方法
▼そもそも「すが漏り」とは何か
▼「すが漏り」になりやすい屋根の特徴
▼火災保険で補償される自然災害について
「すが漏り」の修理を火災保険で賄うには条件がある
一般的には、すが漏りの工事は火災保険の補償の適用外とされています。
というのも、屋根の雪解け水が上手く排水されずに屋根に溜まるということは、
突発的・偶発的な自然現象という火災保険の補償対象には当てはまらないと考えられるからです。
すが漏りは、長い期間をかけて起こる、
経年劣化に近いものと考えられるのが一番の要因です。
つまり、屋根の除雪を定期的に行っていれば発生しないものと判断されます。
ただし、突然の大雪や暴風により、
天井や屋根が被害を受けて雨漏りが起こった場合は火災保険の補償対象となります。
ちなみに、断熱材を設置したことがきっかけで雨漏りが起きたり、
屋根の勾配の角度の不備が原因になったりしている場合は、
住宅を建設・リフォームしたハウスメーカーなどに損害賠償を求めることができます。
アフターフォローで修理してもらえる場合もあるので、一度ハウスメーカーに確認してみましょう。
また、最近の異常気象の影響で、
降雪を想定していない地域で大雪が降った場合は、例外的に火災保険の補償対象になるケースもあります。
そのため、まずは火災保険を活用した工事に慣れている専門業者に相談してみましょう。
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そもそも「すが漏り」とは何か
すが漏りの「すが」とは、東北地方の方言で「氷」を意味します。
そこから派生して、氷や雪が屋根に積もり、
そこから雨漏りのような現象が起こることをすが漏りと呼ぶようになりました。
屋根に積もった雪が解けると、外気温がマイナスであれば軒先につららができます。
そのつららの範囲が広がり、凍った部分が軒先から屋根裏まで広がると、
凍った部分が室内の気温で解けだして、
その水がまた凍結してしまうため、
水を止める「せき」のようなものができ、屋根から水が溢れだして雨漏りのような状態になってしまいます。
そして屋根裏にどんどん浸水していき、天井や壁からぽたぽたと雪解け水が染み出してきます。
これがすが漏りで、雨漏りと違い屋根に穴が空いてない状態…
トラブルが起こっていない屋根でも発生することが大きな特徴です。
この記事も良く読まれております:雨漏り調査会社・修理業者の選び方と費用|火災保険適用の裏技も解説!
冬のトラブルナンバーワン
屋根はもともと、馳というフックのようなものでつなぎ合わせていて、
この構造では上からの水(雨)には強く、浸入を防ぐことができるのですが、
フック下部の隙間にも到達するくらい水が溜まると、
その隙間から水が漏れてしまいすが漏りが発生します。
じつはこのすが漏りは、豪雪地帯における冬のトラブルのナンバーワンともいわれていて、
すぐに対処しなければ春先まで被害は継続することになってしまいます。
つららが出来たら要注意
このようにすが漏りは、大雪が降る地域において、住居の中は暖房で気温が高く、
外はとても寒くなっている状態が続くことで、
さまざまな化学反応が屋根の上で起こることで発生します。
つららができているときは、すが漏りが起こる可能性があることのサインですので、
気をつけて屋根の状態を観察する必要があります。
すが漏りが起きる前段階まで来ている可能性もあるので、
つららがあまりにも解消されない場合は、専門業者にチェックしてもらうことをおすすめします。
「すが漏り」になりやすい屋根の特徴
雨漏りの被害というのは、雨漏りそのものだけでなく、
屋根材や基礎部分の木材を腐食し、
鉄筋をさび付かせて、住宅全体の強度を弱らせてしまいます。
この二次被害が雨漏りの怖い所で、同じことはすが漏りにもいえます。
すが漏りの原因は、室内と屋根の温度差であり、
この温度差を解消することがすが漏りを起こさせない一番の対策となります。
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具合的には、雪を積もらせず、積もったとしても解かさせないことが大切になります。
では、どのような屋根がすが漏りを起こしやすく、逆にどのような屋根がすが漏りが起こりにくいのでしょうか。
雪が積もりやすい屋根の特徴
雪が降ると屋根に雪が積もり、
特段対策をしていなければ、
その雪が滑り落ちにくくなりすが漏りになるリスクが高くなります。
まずは、雪が積もらないようにするためには、屋根の表面が滑りやすくなる塗料を使用することをおすすめします。
逆にいうと、表面に滑りにくい塗料を使っている屋根は、雪が積もりやすいといえます。
例えば「ラク雪塗料」(カンペパピオ)のような超親水性効果によりトタン屋根に塗装するだけで自然に雪が滑り落ちるようになる塗料や、「ファイン4Fセラミック」(日本ペイント)のような耐久性に優れているフッ素塗料、
「ルーフスターシリーズ」(エスケー化研)のような
寒暖の差によるひび割れが起こりにくい塗料を使用することで、すが漏り対策となります。
塗装代も安くなる!?の記事はこちら:外壁塗装の費用を火災保険や助成金で賄うことは【江戸川塗装】にお任せ下さい
屋根に雪を積もらせないのが一番有効
冬になると屋根の雪がへばりついて凍ってしまうような豪雪地方には、
瓦屋根の住宅はほとんどありません。
かつてはトタン屋根が主流で、今もそのような住宅は多く残っています。
傾斜のあるトタン屋根は、雪が滑りやすい構造をしています。
屋根の勾配が60度以上であれば、屋根面には積雪しないと考えられますが、
屋根から落雪するリスクは高くなってしまいます。
逆に、屋根の勾配が60度以下の屋根は、積雪するリスクが高く、
屋根には数10cmの積雪が起こる可能性もあります。
そして、積もった雪が解けてはまた凍って、
という化学反応を繰り返して分厚い氷ができ、
すが漏りが起こる温床となってしまいます。
この氷の塊は、春先に気温が高くなってくると、
少しずつ溶け出し、高く積もった雪と氷が一気に落下してしまいます。
屋根に積もった雪は、地面に積もる新雪と違い、
固まって重くなっているので、この塊が落ちてくることは非常に危険です。
ここは、屋根に雪を積もらせない対策をするのが一番だと考えられます。
雪が氷になりやすい屋根の特徴
屋根に氷の塊ができると、
解けた水が流れなくなってしまい、
屋根にたまってしまうことになります。
こうなると、行き場を失った水が屋根の中に染み入ってしまうため、
すが漏りが発生してしまいます。
このような氷の塊を作らないようにするためには、
屋根全体や先端部分を暖めるヒーターを設置するなど、
塊そのものを作らないような対策をします。
また、屋根を二重屋根構造にすることも方法のひとつです。
これは、二重屋根構造にすることで屋根の通気性を確保し、
天井裏への断熱性を向上させて室内の暖房熱を遮断するというものです。
こうなると、屋根と室内の寒暖差が少なくなり、屋根の雪が解けずに氷ができにくくなるため、
すが漏りのリスクが軽減されます。
雪が解けやすい屋根の特徴
すが漏りの原因は屋根と室内の温度差によるものといわれていて、
室内の熱が逃げてしまう住宅の構造の場合に、
雪が解けやすい屋根になります。雪が解けることは、
冬の寒い盛りでは氷を作り出す要因なので、ネガティブな要素となってしまいます。
そのため、強力な断熱材を使用して、室内の熱を逃がさないようにして、
屋根に室内の熱が届かないようにすることが大切です。
この方法は、冬場だけでなく夏場にも有効で、夏場の外気が中に入ってこなければエアコンの省エネにもつながります。
雪下ろしが不要の無落雪屋根の特徴
雪下ろしが不要な無落雪屋根は、最近人気です。
三角屋根と違い、家の内側に向かって屋根が窪んだ構造になっていて、
積もった雪を下の層から溶かして流していく仕組みになっています。
家が耐えられないほど積雪してしまった場合は雪下ろしをしなければいけませんが、
基本的には雪下ろしは不要と考えてよいでしょう。
ちなみに、屋根に積もった新雪でも1㎥あたり150kg以上となってしまうので、
建物の負担になることはもちろん、落雪などが起きて近隣の住居へ迷惑をかけてしまうことがあります。
そしてすが漏りを発生させないためにも、無落雪屋根をひとつの方法として検討しても良いでしょう。
気をつけたい現象「雪庇」の危険性
豪雪地帯では、雪庇(せっぴ)という現象も起こります。
これは、風が一方向に吹くことが多い地域において屋根の風下にできる雪の塊のことで、
そのまま放置しておくと重みに耐え切れずに地面に落ちてくるものです。
隣家や車だけでなく、通りがかりの人の上に突然落ちてくることもあるので、
非常に危険です。
この雪庇は無落雪屋根にできやすく、屋根から垂れ下がるように巨大化し、
その重さは最大0.5tほどにまでなることもあります。
この雪庇ができないようにするためには、
ラインヒーターで軒先の雪を解かして、雪庇の原型を作らないという方法を採ります。
また、雪庇防止柵を設置するという方法もあります。
この柵により、軒先から下に流れる風の向きが変わるので、
雪庇の発生を防止できます。
雪が降り一方向の強風が吹きやすい地域に住んでいる場合は、雪庇対策についてもハウスメーカーに相談してみましょう。
火災保険で補償される自然災害について
火災保険の補償対象についておさらいをします。
火災保険で補償される被害は、
火災以外に自然災害や盗難・事故がありますが、
すべて突発的・偶発的に起きたことが条件です。
つまり、被害が起こることが予見されている状態を放置して起きた被害は、
火災保険の対象外となります。
具体的には・・
具体的には、突風・強風・台風・豪雨などの強風で被害が出た場合や、
積雪・落雪・雹で被害が出た場合は火災保険の補償対象となります。
この際、保険会社に修理の費用を請求するときには、
必ず足場工事代金を含めた見積書を用意して申請しましょう。
足場を組むことは屋根の修理には必須ですので、火災保険の保険金で賄うことができます。
関連記事:仮設足場 工事の昇降階段は火災保険で認定されるのか!?
一方で、給排水設備が凍結による被害を受けたときは、
給排水設備自体の被害は火災保険の補償対象にはなりません。
例えば、自然災害によりダクトが詰まり亀裂が入って水漏れが発生した場合や、
建物の壁や床にもひび割れが起きた場合などは火災保険の補償対象となります。
ただし、一部の火災保険の特約の中には幅広い補償を謳っているものがあるので、
被害が出たときは保険会社に補償内容を確認しましょう。
火災保険の補償の対象になるのか、
対象外になってしまうのかを自己判断するのは危険です。
必ず、専門業者に調査してもらい、火災保険が活用できるかを判断してもらいましょう。
台風以外にも吹雪による被害も火災保険で補償される
火災保険の中でも、屋根の工事に関しては「風災」にあたるかどうかが大きなポイントになります。
「風災」とは、突風・強風・木枯らし・春一番・台風・旋風など強風により、
建物や家財が被害に遭った場合にその被害額を補償するというもので、
風災・雹災・雪災を補償する契約プランであれば補償対象になります。
現在の火災保険の場合は、特に指定しない限り、これらの補償はプラン内に入っていることが一般的ですが、
念のために契約書を確認しておきましょう。
この風災で注意したいのは、強風の基準です。
この基準というのは、
最大瞬間風速によって判断され「最大瞬間風速20メートル/秒」となっています。
この数値を上回っている強風による被害であれば火災保険の補償対象となり、
それを下回っている風による被害は補償の対象外となる保険会社もありますが、
基本的には実損払いなので風速も大事ですが、実際の損害も判断基準として大事です。
気象庁ですぐにデーター確認が出来ます。
【気象庁 過去のデーター】で検索すると全国の地域での最大瞬間風速が出てきます。
どの火災保険申請サポート会社もこちらの風速をもとにサポートやアドバイス・営業をしております。
ここで注意が必要なのが「最大風速」ではなく「最大瞬間風速」ということです。
ちなみに火災保険の時効は3年ですので、
3年以内に「最大瞬間風速20メートル/秒」が吹いていて、
住宅の被害との因果関係が証明できれば火災保険の申請が可能です。
また、被害を受けてから3年以内に屋根を修理する必要があるわけではなく、
3年以内に保険会社に申請する必要があるという意味の時効となります。
このように、強風が原因で住宅に被害が出た場合は、風災補償で保険申請を行うことで火災保険金が下りる可能性が高まります。
天気予報で「寒波襲来」と言われている時に、
同時に低気圧が発生している場合は、
風速20メートル以上の強風が吹いていることもあるため、
【江戸川塗装】のような専門会社に相談してみると良いでしょう。
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現実は、職人が修理をしなくてはいけない箇所よりも
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2023年でも地震や大雪・落雷・竜巻・雹(ヒョウ)・台風など申請しなくてはいけない災害が多々起きることが予測されております。
災害が来る前に大事な建物を点検させてください。