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公開日：2022年12月28日

屋根工事を行う際に使う大事な材料といえば、屋根ルーフィングです。

屋根の下地材なので、あまり見かけることがないかもしれません。

しかし、屋根を守るために重要な材料です。

 

屋根ルーフィングとは、どのような材料でしょうか。
重要である役割や種類などを把握して、頼りになる屋根を作りましょう。

この記事では、屋根ルーフィングの種類や特徴について詳しく解説します。

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屋根ルーフィングとはどのような材料なのか

屋根ルーフィングといっても、普段目につかない材料なのでわかりにくいと思います。

しかし、屋根ルーフィングというのは、

屋根の中で重要な効果を発揮している材料です。

 

どのような効果を発揮しているのかを把握して、屋根ルーフィング選びをしましょう。

屋根ルーフィングはどのような材料なのか、

役割なども含めて以下にご紹介いたします。

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どんな材料なのか

 

屋根ルーフィングとは、屋根の仕上げ材の下地に張る防水シートです。

屋根仕上げ材と野地板の間に施してある、屋根下地材料です

。
屋根を工事する際に敷かれる黒い紙のような材料、

といえばわかりやすいでしょう。

 

主に、アスファルトで作られている商品が多く、

その他にも様々な種類があります。

どんな役割を担っているのか

屋根ルーフィングは防水効果があり、

屋根から浸入した雨水を下地に通さない重要な役割を発揮します。

瓦やトタンなどの屋根の仕上げ材自体には、防水効果があります。

しかし、屋根の仕上げ材同士のつなぎ目部分には、

十分な防水効果を発揮させることはできません。

 

そのため、屋根の仕上げ材の下にある、

屋根ルーフィングに防水効果を求めます。

屋根仕上げ材の防水効果を求めず、

下地である屋根ルーフィングが屋根の防水効果を発揮します。

 

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屋根ルーフィングの種類や特徴

屋根ルーフィングには、以下の7つの種類があります。

特徴など含めて、ご紹介していきます。

アスファルトルーフィング

アスファルトを染み込ませた厚いボール紙に、アスファルトを何層か重ねて作られた屋根ルーフィングです。

様々な種類があり、板紙や層の種類により細分化されます。
住宅で最も多く使われているものが「アスファルトルーフィング940」です。

屋根ルーフィングを指定しない場合、

アスファルトルーフィング940で施工されることが大半です。

 

古くから利用されているルーフィングであり、

大正時代から存在します。

関東大震災の復興をキッカケとして広まるようになり、

防水効果の高さにより現在でも広く使われています。

 

アスファルトルーフィング940のメリット

 

メリットは、安価であることです。

そのため、一般住宅で多く使われています。

止水性を重視して作っており、高い防水効果を発揮します。

 

アスファルトルーフィング940のデメリット

デメリットは、劣化しやすいことです。

普段は屋根仕上げ材に守られているので、劣化しにくいルーフィングです

。
しかし、屋根仕上げ材が劣化してしまい多くの雨水の影響を受けると、

劣化してしまいます。

 

耐用年数は15～20年となっています。

しかし、屋根仕上げ材が早く劣化してしまい雨水を多く受けると、

早く劣化します。

耐用年数よりも前に取り換えが必要になるので、

短い期間しか使えない場合もあります。

 

また、透湿性に乏しいです。
透湿性の低さにより、野地板が結露しやすくなります。

改質アスファルトルーフィング

 

改質アスファルトルーフィングは、

アスファルトルーフィングの低い耐久性を改善した、屋根ルーフィングです。

アスファルトにポリマーや天然アスファルトを加えた素材です。

 

基本的な作りはアスファルトルーフィングと同じであり、

板紙を挟む膜に改質アスファルトを使っています。

 

メリットは、アスファルトルーフィングよりも耐久性が高いことです。

耐用年数30年ほどであり、

アスファルトルーフィングの約2倍の耐用年数を発揮します。

 

改質アスファルトルーフィングのメリット

 

また、温度変化にも強く、暑い夏でも劣化しにくいメリットがあります。

止水性にも富んでいますので、高い防水効果が期待できます。

 

改質アスファルトルーフィングのデメリット

 

デメリットは、アスファルトルーフィングよりも高価な点です。

硬質材により長い耐用年数を発揮するので、

耐用年数の長さの分、高価になります。

 

また、透湿性が低いので、野地板が結露しやすくなります。

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高分子系ルーフィング

合成ゴムや塩化ビニルを原料とした、ルーフィングです。

アスファルトルーフィングのように、

アスファルトは使っていません。

 

一般的な切妻や寄棟屋根では使うことはなく、

陸屋根などの平面部分が多い屋根に採用します。

 

合成ゴムと塩化ビニルとでは、塩化ビニル製の方が多くのメリットがあります。

そのため、塩化ビニル製の高分子系ルーフィングの方が、多く使われています。

合成ゴムのルーフィングは、採用されることが少なくなりました。

 

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合成ゴム系の高分子系ルーフィングのメリット

 

合成ゴム系の高分子系ルーフィングの大きなメリットは

安価で軽量なところです。

屋根は軽い方が耐震性は高まるので、軽量なルーフィングは耐震性向上に役立ちます。

高分子系ルーフィングは軽量なので施工性が高く、

短期間の工期が可能です。

 

また、伸縮性が高いので亀裂が入りにくいメリットもあります。

亀裂が入りにくく、地震などで建物が動いてもひび割れしにくいでしょう。

 

合成ゴム系の高分子系ルーフィングのデメリット

 

デメリットは、平面の屋根にしか使えないことです。

曲面の屋根には、使うことができません。

また、紫外線に弱い点も注意が必要です。

屋根の仕上げ材が劣化して隙間ができると、

紫外線を直接浴びてしまい劣化が進みます。

 

塩化ビニル系の高分子系ルーフィングのメリット

 

塩化ビニル系の高分子系ルーフィングのメリットは、

耐候性や耐久性に富んでいることです。

また、伸縮性が高く破れにくいです。

塩化ビニル系の高分子系ルーフィングのデメリット

 

デメリットは、合成ゴム系と同様に平面屋根にしか使うことができない点です。

また、耐用年数に近づくと固くなり、破れやすくなります。

透湿防水ルーフィング

透湿性に優れており、

家の中の湿気を逃すことができるルーフィングです。

数あるルーフィングの中で透湿性を発揮するのは、

透湿防水ルーフィングだけです。

一方で、雨水の水滴は通しにくくするため高い防水性も発揮します。

 

濡れても乾燥しやすいので、

近年の高気密住宅や高断熱住宅でも採用される事が多くなりました。

日本では、まだ採用率が低いルーフィングです。

ヨーロッパではルーフィングといえば透湿防水ルーフィングのことを指すほど、

主流のルーフィングです。

 

透湿防水ルーフィングのメリット

 

大きなメリットは、透湿性が非常に優れていることです。
また、耐久性が高く耐用年数は50年ほど発揮します。

 

50年間の耐久性の促進試験をクリアしているので、

長寿命住宅に適しています。

ルーフィングの中でも特に長い耐用年数を発揮し、

建物によってはメンテナンスフリーで使い続けられます。

 

また、軽量といったメリットもあります。

透湿防水ルーフィングは、アスファルトルーフィングの6分の1と非常に軽いルーフィングです。

 

軽量な屋根は耐震性の高めることができるので、地震が多い日本の建物にはピッタリです。

 

透湿防水ルーフィングのデメリット

デメリットは、高価であることです。

アスファルトルーフィングと比べると、2倍以上の費用となります。

高価なルーフィングですが、耐用年数の長さから考えると妥当な価格といえます。

 

また、施工時は技術と知識が必要となります。

通気が必要であり、屋根の仕上げ材から湿気を排湿する経路を作らないといけません。

 

透湿防水ルーフィングの仕組みをわかっている業者に頼まないと、透湿効果を発揮できません。

粘着層付きルーフィング

 

裏面が粘着シートとなっているルーフィングです。

一般的にルーフィングは、タッカーなどの留め付け器具で留めます。

粘着付きルーフィングは、

粘着シート部分を野地板に直接貼ることができます。

 

粘着力が高い一方で、貼り付けても綺麗に剥がれるタイプもあります。

そのため、次回の屋根リフォームで綺麗に剥がして張り替えができるでしょう。

 

粘着層付きルーフィングのメリット

 

メリットは、粘着で施工が可能なので穴を開けずに済むことです。
穴が開かないので、

防水性に優れたルーフィングになります。

 

また、傷んだ屋根の上にシールのように貼ることができるので、

カバー工法の際に便利に使えます。

 

さらに、粘着シートで貼るので、施工性も非常に高いです。

粘着層付きルーフィングのデメリット

 

デメリットは、高価なことです。
アスファルトルーフィングの4～5倍ほどの費用となります。

 

また、粘着部分があるので、非透湿性のルーフィングとなっています。

湿気が逃げにくいので、小屋裏に溜まった湿気が抜けにくいでしょう。

アスベストを含んでいる屋根の仕上げ材の上に張る場合は、

剥がす際に厳重な管理が必要になります。

アスベストは有害物質であり、健康被害を発生させる屋根の材料ということで危険性があります。

住宅の場合、2004年以前に建てられたスレート屋根にアスベストが使われていました。

2004年以前に建てたスレート屋根のカバー工法には、粘着層付ルーフィングの採用はおすすめできません。

不織布ルーフィング

ルーフィングの多くは紙をベースに作られていますが、不織布ルーフィングは布製です。

約30年の耐用年数があり、アスファルトルーフィングの2倍ほどの寿命を発揮します。

価格がそれほど高くなく、近年では施工が増えているルーフィングです。

 

不織布ルーフィングのメリット

 

メリットは、布製なので破れにくいことです。
地震などの建物に発生する動きに追従し、柔軟性に富んでいます。

不織布ルーフィングのデメリット

 

デメリットは、価格が高い点です。
アスファルトルーフィングの2.5倍ほどの費用がかかります。

ただし、アスファルトルーフィングにはない高い追従性があるので、価格では判断できない効果を得られます。

遮熱ルーフィング

 

表面に遮熱シートが張ってあるルーフィングです。

遮熱シートには、太陽の赤外線で屋根が熱くなるのを抑える効果があります。

 

屋根は建物の1番上にある部位ですので、太陽の光を浴びやすいです。

通常、夏だと屋根から室内に太陽光の熱が伝わってしまいます。

 

しかし、遮熱ルーフィングなら太陽光を反射します。

光を反射して熱の発生を抑えるため室内が涼しくなるのです。

 

遮熱ルーフィングのメリット

 

メリットは、高い遮熱効果です。
夏に暑い地域の建物には、高い遮熱効果により室内温度を2～3度下げる効果が期待できます。

さらに、遮熱効果に加えて透湿効果が高いのも大きな特徴です。

アスファルトルーフィングの150倍もの透湿効果を発揮し、

小屋裏の湿気を屋外に逃すことができます。

遮熱ルーフィングのデメリット

 

デメリットは、高額なことです。
アスファルトルーフィングと比べると、8～10倍もの費用がかかります。
遮熱と透湿効果を発揮するので、仕方のない価格といえます。

 

屋根ルーフィングの選び方

 

屋根ルーフィングは、様々な種類があります。

どのルーフィングを選ぶべきなのか、わかりにくいと思うかもしれません。

どのような考え方で選ぶべきなのか、要点は以下の4つが挙げられます。

 

詳しく見ていきましょう。

耐用年数

 

耐用年数は、種類により大きく異なります。

アスファルトルーフィングは安価ですが、15～20年ほどしか持ちません。

しかも、屋根仕上げ材が劣化して雨を多く通しやすくなると、

耐用年数前に劣化してしまいます。

 

長く使い続けたい場合は、耐用年数が約50年ある透湿防水ルーフィングがおすすめです。

透湿防水ルーフィングは、

アスファルトルーフィングよりも高価というデメリットがあります。

しかし、長い耐用年数を考えるとコストパフォーマンスが良いルーフィングです。

止水性

 

高い止水性は、建物に雨漏りを発生させずに済みます。

屋根本来の防水効果を発揮させるためには、欠かせない性能です。

 

高い止水性を発揮するのは、改質アスファルトルーフィングや粘着層付アスファルトルーフィングです。

透湿性

 

透湿性は、家の中の湿気を逃すことができる性能です。
古い家の場合、室内に湿気が多い傾向があります。

湿気を上手く逃すことで家の中が健康になり、

長く住み続けることができる家となります。

古い家の屋根の葺き替えには、透湿性が高い透湿性防水ルーフィングが適しています。

 

価格

 

1番安いルーフィングは、アスファルトルーフィングです。

安価な分、耐用年数は期待できません。

定期的に張替えを行う場合は、価格重視で安価なルーフィングを選んでも良いでしょう。

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カバー工法をする場合

 

カバー工法を行う場合は、施工性が高いルーフィングがおすすめです。
粘着層付ルーフィングは、粘着面で野地板に留めるので打ち付ける手間がありません。

短い工期で、屋根リフォームを行うことができます。

屋根修理の際には火災保険を使うことは可能？

屋根ルーフィングを含めた屋根修理を行う場合、火災保険を使える可能性があります。

火災保険は、火災にしか使えないイメージがあるかもしれません。

しかし、火災保険の補償の中には、火災以外の補償があります。

それは、自然災害による被害です。

火災保険が適用となる可能性がある条件とは

 

屋根ルーフィングリフォームの際に火災保険で認められる条件は、「風災」が大半です。

風災は、台風や強風、ひょう、大雪などの自然災害です。

自然災害により屋根ルーフィングに被害が発生している場合、

火災保険の適用となる可能性があります。

 

以下の症状が発生している場合、「風災」として認められるケースが考えられます。

 

 

以上の症状が発生している場合、

屋根ルーフィングまで被害が発生している状態です。

そのため、火災保険を使って屋根ルーフィングの修理ができる可能性があります。

 

火災保険で修理ができないケース

火災保険を使って屋根ルーフィングの修理ができるのは、

自然災害の被害に遭った場合のみです。

そのため、自然災害以外の被害で発生した屋根ルーフィングの修理には、

該当しません。

 

以下の理由で屋根ルーフィングの修理が発生した場合、火災保険は使えません。

 

上記の場合は自然災害に該当しないため、火災保険を使うことはできません。

火災保険における「衝突」とは？「風災」との違いを塗装会社が現場目線で解説

火災保険は修理費用によっては保険金が一切出ない場合がある

 

自然災害により屋根ルーフィングが破損した場合、火災保険を使える場合があります。

しかし、以下のような条件があります。

 

原則3年以内の自然災害が該当するので、

3年以上前の被害の場合は使えない事が多くなります。

 

また、修理にかかる費用は20万円以上の場合が該当となり、

20万円以下の費用には基本的に該当しません。

 

20万円以上の修理費用に該当というのは、高い設定と思うかもしれません。

しかし、屋根は高所なので、足場などの仮設費用に見えない費用がかかります。

そのため、屋根の修理には20万円以上かかる場合が大半です。

まとめ：屋根ルーフィングの種類を把握して納得できる屋根にしよう！

屋根の下地であるルーフィングは、屋根や建物に対してとても重要な材料です。

種類により様々な特徴があるので、理想の家や屋根造りに役立てましょう。

 

屋根ルーフィングの修理を行う際には、多くの費用がかかります。

屋根ルーフィングの修理には、火災保険を使うことができる場合があります。

 

火災保険に加入している場合、支払額を少なくできるように検討しましょう。
屋根ルーフィングをすぐに修理して、長く住み続けることができる家を保ちましょう。